
今回は退職金請求についてお話しします。
・退職金請求とは?
退職金請求とは、退職した労働者が会社に対して、法律や労働契約(就業規則等)に基づき退職金の支払いを求めることをいいます。
法律上、会社に退職金制度を設ける義務自体はありません。しかし、就業規則や退職金規程などで「退職金を支給する」旨が定められている場合、退職金は単なる会社の好意ではなく、法的効力を持つ賃金請求権として認められます。
・退職金請求の要件
会社に対し退職金請求を行う場合、主に以下の要件を満たす必要があります。
①会社との労働契約の締結
②就業規則や退職金規程等における退職金支給に関する規定の存在(支給基準、計算方法、支給時期等)
③退職の事実および支給条件の成就(勤続年数、退職理由等)
退職金請求で問題となりやすいのは、会社側が「懲戒解剖による不支給」や「会社への損害」を理由に支払いを拒否するケースです。しかし、会社が退職金を減額・不支給とするには相当程度重い背信行為が必要とされるため、会社の主張がそのまま認められるとは限りません。
・証拠関係
退職金請求の場合に提出されるべき証拠としては、以下のものが挙げられます。
(1)退職金支給の根拠となる文書(①・②の要件に関連するもの)
→雇用契約書、就業規則、退職金規程、労働協約等
(2)退職の事実や支給条件を満たすことを立証する文書(③の要件に関連するもの)
→退職証明書、離職票、辞令、退職届の控え、給与明細、源泉徴収票等
会社が就業規則を開示しない場合でも、弁護士を通じた受任通知の送付や弁護士照会手続きなどを利用して請求・確認を進めることが可能です。
・消滅時効
退職金請求権の消滅時効期間は、原則として権利を行使できる時(退職金の支給日)から5年間です(労働基準法第115条)。
通常の給与や残業代請求権の時効(当分の間は3年)とは異なり、退職金については従来通り5年間と定められています。退職から時間が経っている場合でも請求できる可能性がありますが、時効を迎える前に早めの対処が必要です。
・まとめ
今回は退職金請求について解説しました。
会社から「懲戒退職だから退職金は出ない」と言われた、退職金規程を見せてもらえない、退職金の計算方法や不払いに納得がいかないなど、退職金に関するトラブルでお悩みの方は、ぜひ一度当事務所までお問い合わせください。